債務整理とは切り離せない過払い金請求について
昔作った借金を見直そう
過払い金というのは、消費者金融業者を利用したキャッシングなどで、債権者に対して支払いすぎてしまっていた利息のことを指します。
年間に課せられる利息は利息制限法で上限が設けられていますが、それを超えたいわゆるグレーゾーン金利と呼ばれるものを利用し、気がつかないうちに必要以上に利息を上乗せして請求されていたということがあるのです。
過去に返済が完了した借金に過払い金が発生していた可能性もあるため、見直して取り戻せることがあります。
- 2008年12月より前に借金をしていた経験がある
- 借金の返済が終わってから10年以内である
以上に当てはまる場合には、一度過去の借金について調べてみることをおすすめします。
債務整理には任意整理や個人再生などいくつかの種類がありますが、場合によっては取り戻せる金額がかなり大きくなるのが過払い金請求です。
債務整理と過払い金請求の関係
過払い金請求は基本的にすでに返済が終わっている借金に対して行われるものであり、正確には債務整理とは異なるものになります。
過払い金請求は、手続きを行っても信用情報に傷が付くことはありません。
しかし、任意整理を行う上で必ず利息に関する引き直し計算が行われます。
これは払いすぎてしまっていた利息(グレーゾーン金利)がないか?確認した上で正確な額を計算し直し、過払い金の有無を見つけるというものです。
任意整理中に過払い金が確認されれば過払い金請求が行われることになります。
完済した借金の過払い金請求を行う場合には債務整理に当てはまりませんが、返済期間中にある借金に対しては債務整理扱いになりますから、後者は信用情報に記録されることになりますので注意してください。
過払い金を請求する手続きの手順
過払い金の発生が疑われる借金が見つかった場合、まずは請求期限に間に合うように早めに債権者に取引履歴を用意してもらうのがコツです。
それを元に引き直し計算を行っていきますが、ネット検索をすれば自動計算が行えるホームページなども見つかりますから利用することをおすすめします。わからなければ、弁護士の無料相談などを利用してください。
請求を行うことを決めたら、法律の専門家に依頼をして手続きを開始しますが、裁判所を利用せずに示談で和解を目指していきます。
法律違反になりますから、大抵の債権者は請求した時点で返還に応じますし、期間はかからずにすぐにお金を取り戻せます。
過払い金請求にかかる費用について
過払い金請求に必要なお金を用意しよう
弁護士を利用する場合に発生する費用は以下の通りです。
- 着手金
- 実費分
- 報酬金
まず弁護士に依頼をした時点で着手金が発生しますが、過払い金に関してはほとんどの場合着手金がかかりません。
少しでも弁護士費用をお得にするコツとして、着手金0円を謳っている弁護士事務所に依頼することをおすすめします。
実費分は過払い金請求をする際に発生した細々とした費用を指します。
たとえば収入印紙代や切手代、各種手数料や交通費などです。こうした実費は依頼者が負担する場合が多くなりますが、事務所によっては報酬金に加えるなど計算方法が異なります。事前に確認をしておくと安心です。
一番大きな割合を占める報酬金ですが、さらに成功報酬、減額報酬、定額報酬の3つに分類されます。
過払い金請求に成功すれば、取り戻した額の2割程度を目安に支払うのが成功報酬、減額に成功できた金額の1割程度を支払うのが減額報酬で、過払い金請求の場合には定期的に弁護士に支払う定額報酬はほぼ発生しません。
基本的には実費分と成功報酬、減額報酬の3点を考慮しておけば、大体の支払額を想定できます。
それほど大きな金額になることはありませんが、取り戻せる利息と必要経費を比較してから請求を行うのがおすすめです。
過払い金請求は、借金を完済している方にとってはメリットしかありません。
また返済中の方でも任意整理することで、今まで払い過ぎた利息は元金などと相殺され、借金の総額が減り、完済への近道となるメリットがあります。